早いもので、今年、当クリニックは開業10年目を迎えます。地域に根ざした、親しみやすいクリニックを目標に、専門である呼吸器疾患と在宅医療を診療の柱として考えてきました。はたして親しみやすいクリニックかどうかは、皆様に判断を仰がなければならないところですが、呼吸器疾患の患者様はおかげさまで徐々に増えつつあるようです。喘息の患者様は、月に100名を超えておりますし、在宅酸素療法を受けていただいた方も延べ40名近くとなりました。肺炎の方も思いのほか多く、もちろん気候なども影響しますが、1年に10〜20名が受診されております。最近は、喘息にしろ肺炎にしろ、優秀な薬剤のおかげもあり、入院していただくことは極めてまれとなっており、私が医者になってからのほんの20年の間に、医療が大きく進歩していることがうかがわれます。また、受診動機では、家族が来ている、知人から聞いたといった方が多いようで、口コミのありがたさを感じております。当クリニックを紹介してくださった方々に、この場を借りてお礼申し上げます。
もうひとつの柱である在宅医療ですが、普段から当クリニックをかかりつけとして下さっている方を、そのまま継続して在宅で診させていただくのを基本としておりますので、それほど手広くやっているわけではありません。それでも10年経つと、在宅医療(訪問診療・訪問看護)をさせていただいた方は50人以上となっており、そのまま最期をご自宅で迎えられた方も40人弱ありました。これは決して私だけで出来るものではなく、色々な方面の方々(ケアマネージャーさんヘルパーさん訪問看護師さんなど)との連携や、心意気のある看護スタッフに恵まれた結果だと思って感謝しております。最近は、玉島在宅グループとしての取り組みもあってか、徐々にですが大病院からの逆紹介も増えてきており、さらにサービスの充実を図らなければと感じているところです。
この10年で医療を取り巻く環境は大きく様変わりしました。今後も医療情勢はどんどん厳しい方向へ変わってゆくものと思われますが、おかれた状況の中で自分自身を見失わないように、最善を尽くしたいと思っております。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
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